おたる水族館

 大学4年の夏休みに私は小樽水族館を訪れました。付き合いたての彼氏の誕生日デートでした。海や水が好きだったことと、デートらしいことと言えば水族館だという先入観で、通っている大学に近い小樽水族館に行くことを決めました。

 小樽駅からバスに乗ること25分、石狩湾の目の前に小樽水族館が現れます。その日は雨と風で天気が荒れていました。
 飛ばされそうになりながらも入館すると、最初に大きなウミガメの水槽を見つけました。私はウミガメがとても好きでした。しかしマイペースなウミガメはずっと、しっぽをこちらに向けたまま壁に向かっていました。よほど壁が好きなのか、帰る時もそのままでした。

 館内では順路に従って歩くと、エイやサバやウミガメが一緒に飼育されている大きなパノラマ水槽があり、その大きさに驚きました。その先にネズミイルカが広々泳ぐ巨大な円形水槽がありました。ネズミイルカはボテッとしていて愛らしく、小さい子供たちが嬉しそうにイルカを追いかけていました。
 そのまま進むと、南の魚たち、北の魚たち、オホーツク海とベーリング海の魚というように地域ごとに分かれた展示がされていました。やはり南国の魚はカラフルできれいだなと感じました。このあたりで幼稚園児たちが先生に引率されて水槽を興味津々に覗いている姿があり、ほほえましかったです。

 二階に上がると、北海道の生き物の展示コーナーがありました。カクレクマノミやウーパールーパーやフウセンウオ等、ユニークな魚たちばかりがそろっています。私は小樽の先にある積丹の海でダイビングをしたことがありますが、その時カクレクマノミを発見したことを思い出しました。
 他にもタッチコーナーがあり、ヒトデを触ってみました。ゴツゴツしていて固いという印象でした。そして水族館と言えばメインのショーが行われるイルカスタジアムがあります。イルカやトド、セイウチが可愛らしく面白いショーを見せてくれました。観客が挙手制で参加できるシーンもあり、小さい子から大人まで一緒に楽しめるもので大変満足しました。

 規模は小さな水族館ですが、普段見ることのできない海の生き物たちを間近で観察することができる貴重な体験になると思います。小樽駅から少し時間はかかっても、小樽へ来た際は海の生き物たちを間近で見て、さらに海を感じることをおすすめします。

(アリサ)