アートヒルズ望海

 90年代のバブル時代、桜町の高台にあったアートヒルズを覚えている読者のみなさんはおられるだろうか???
 私のうろ覚えの記憶の中では、飲食店を併設したとても立派なイベントホールだった・・・。当時、私のダンススクールにも、利用に関する案内一式が送られてきていた。

 すでに私たちの社交ダンス業界では、ホテルの大宴会場での教室発表会が主流になっていて、広さ等の関係でここを利用しての社交ダンスイベントは私の記憶の中ではなかったと思う。

 そこは小樽の街並みや増毛連山が望める絶好のロケーションなので、何度が喫茶コーナーには行ったことがあった。おしゃれな店内は、若いカップルに似合いそうな雰囲気だったことは覚えている。ほどなく閉店し、この建物が売りに出されているというのを風の噂で聞いていた・・・。

 昨年秋、潮まつりに出店している「男の屋台村」さんから、この建物をある不動産会社が購入したが、中にそのまま備えてあった音響、照明機材がどの程度使えるのか確認していただけないかという依頼がきた。

 早速、浅草橋イベント等でステージ設備をお願いしている三輪音響さんと連れだってそこに行ってきた。ホールの状態は20数年経っているとは思えないほど整っていて、さすがにバブル期に建設されただけあって、設備にお金をかけているのが一目瞭然だった。

 ここの新名称は「アートヒルズ望海(のぞみ)」運営会社としてはライブ、ピアノ発表会、演劇、コンサート等に提供していきたいとの事だった。

 ちなみにホール中央にすべての結線を外された音響機材一式は、20年以上前の物で、ホコリにまみれていたのだが、とりあえずほぼすべて通常使用には耐えうる状態であった。

 しかし、当時小樽初だった油圧式で上下するステージだけは、ステージ下の奈落に雨水が溜まり可動することができず、札幌の専門業者に見積もってもらうこととした。

 ステージの背面が全面ガラス張りで、小樽の夜景をバックに演奏できるというなんとも豪勢な付加価値がある舞台である。新たな小樽のイベントホールとしての活躍を願うばかりだ。

(斎藤仁)