安らぎの場、海

海というものは季節、天気、時間によって様々な顔をみせるが、ずっと変わらない場所に、ずっとある。
小樽という場所は、日本海に面していて、JR小樽駅から歩いて10分もすれば海を見る事ができる。札幌に住んでいる私にとって、海というものは夏にちょっと遠出して行く、決して身近な存在ではなかった。だが、小樽商科大学に入学してからは、頻繁に海に行く事が多くなった。

春には友人と小樽港で釣りを楽しみ、夏には砂浜のある場所まで行って海水浴をしてバーベキューをし、テントを張って星空を眺めながら眠る。秋には季節の移ろいの早さを実感しながら海を前にただぼーっと立ったりもする。冬は一見あまり海に行くイメージがないと思うのだが、荒れ狂う極寒の冬海を眺めるということも私は心がすっきりして好きだ。
本当に、海という場所はなんでもできるし、友人と行っても一人で行っても楽しめる素晴らしい場所だと思う。

中でも私がお気に入りのスポットがある。
小樽駅から30分ほど歩かなければたどり着けない場所なのだが、写真のようにすてきな風景を味わう事ができる。日常でつまずいたり、くじけそうになったとき、嬉しい事があったり悲しい事があったり、なにか一人になって自分の中の感情に浸りたいとき、私はその場所へ行く。
海はただ波打ち、穏やかな風が吹くだけの場所なのだが、それがとても良い。
大げさかもしれないのだが、海にいけばどんな悩みもちっぽけに感じる事ができるし、気分を落ち着かせる事ができる。

そして、私が小樽の海で最も好きなところは、見ず知らずの人と会話ができる事だ。
辛い事があって海に行ったとき、嬉しい出来事があったとき、何回も海に行くのだが、そこにいる見ず知らずの人に話しかけられる。思いの丈をその人にぶつけると、適切なアドバイスをしてくれるという、人情味あふれる小樽の人々ならではの経験ができる。それが、私が小樽の海を安らぎの場として愛する理由だ。

皆様もぜひ、自分だけのお気に入りの海のスポットをみつけてみてはいかがだろうか?

(本間)