増毛連山

ニュースで渡島半島を函館だと勘違いしている、地元函館の小学生がいると話題となった。大小の違いはあれ位置と形状が似ているというのがおもな勘違いの原因だったようだが、小樽でも同じような勘違いがあった・・・。

私は、小樽港より遠方に見える山々はソ連(現ロシア)だと小学校の低学年までは思っていた。
いつも見えるわけではないので、余計にそう思っていたわけなのだが・・・。

小樽のあゆみを勉強する小学校中学年になると、その山々は増毛連山だと教えられた。
確かに地図帳を見ると小樽港の真正面には陸続きの増毛連山がある。
えっ、こんなに近く地図帳上で数センチしかないのにあんな遥か彼方なの???
方角的にも残念ながらソ連は見えない。というより見えるような距離ではない・・・。
子どもながら世界の広さを改めて知った時であった。

小樽から見える増毛連山の麓は旧浜益村(現石狩市)である。増毛町は連山の裏側に当たるので、小樽から見ることはできない。

陸路がしっかり整備されていない明治、大正時代から昭和30年頃までは、バスのような定期船を使い、浜益村の人達が北海道を代表する商業都市小樽を目指して、多数来ているという。子どもたちを小樽の学校に進学させる、学校を出て小樽で就職する、といった具合だったようだ。

この増毛連山を路線バスで山越えして滝川市に出るより、定期船で小樽に行く方がよっぽど身近だったという事のようだ。小樽在住60年以上、浜益村出身昭和一桁生まれの方からの聞きかじりである。

さて、写真の増毛連山は、張碓の国道から撮影した物である。銭函地区の人達は増毛連山がはっきり見えると、2,3日後には天気が崩れるという民間天気予報を使っている。また、よく当たるとも言っていたが・・・。当たる確率まではわからない・・・。

(斎藤仁)