小樽倉庫No.1

昨年私が訪れた飲食店の中で、特に印象に残っているのが「小樽倉庫No.1」というお店である。関東に住む後輩が小樽に遊びに来た時に「小樽ビールが飲みたいです!」と言ってきたので、調べて行ってみたのがはじめである。

「小樽倉庫No.1」はその名の通り運河倉庫の一角にお店を構えている。観光客でにぎわう小樽運河の裏にあるので、少し隠れ家的な雰囲気もある。

このお店の特徴はなんといっても、お店の中にある釜で小樽ビールを醸造しているということである。店内の真ん中にどでかい仕込み釜が置いてあり、昼間には見学することもできる。

小樽ビールを飲みたい人にはうってつけの、そんなお店に後輩と行ったとき、少し面食らった。
まず店内の雰囲気が日本ではない。海外に行ったことはないがあれは「欧米」である。そして入り口で待っていても、一向に席に案内されそうな気配がない…。少し挙動不審になっていると、立ててある看板に「お好きな席にどうぞ」と書いてあるのを見つけた。これがこの店のスタイルらしい。確かに外国の映画ではこんな感じだった気もする。

面食らった話はさておき、ビールを注文。
この店にはピルスナー・ドンケル・ヴァイスという3種類のビールがあり、とりあえず一杯ずつ飲んでみよう!と飲み会が始まった。

まだ22歳で、ビールなんて缶ビールか大衆居酒屋の安いビールしか飲んだことのない私にとって、ここのビールは割と衝撃だった。安直な言葉だがとにかく「おいしい」。

3種類、味はもちろん色も全然違うものだった。
特にヴァイスは特徴的で、本当にフルーティーな味わいがする。別名バナナビールとも呼ばれているらしい。

予想以上においしいビールだったので、当初の予定であった1杯ずつでは足らず、おそらく2人で10杯ほど飲んだと思う。そのせいで少し値が張ってしまい、後輩に威勢よく全額おごってあげられなかったのが、今思うと唯一残念である。

小樽ビールを飲んだことがない方は是非行ってみてほしい。小樽の良さをまたひとつ発見できると思う。

(すばる)