ニトリ小樽芸術村
先日、以前から気になっていたニトリ小樽芸術村に初めて足を運びました。
これは、2016年の7月に色内にオープンした美術館で、旧高橋倉庫がステンドグラス館、旧荒田商会がアール・ヌーヴォーグラス館となっています。
かつて小樽が「北のウォール街」として栄えた頃、この界隈には金融機関や商社などが立ち並び、それらが歴史的建造物として今でもその姿を残しています。美術館として使われている建物も、その中のひとつです。
北海道が発祥の地であるニトリホールディングスの会長である似鳥昭雄氏が、「北海道で生まれ育てられたわが社が、長年のみなさまの御恩に報いる手段のひとつ」として、この美術館を開業したそうです。
ステンドグラス館には、小樽が最も栄えた100年ほど前と同時期の19世紀末から20世紀初めにイギリスの教会の窓を実際に飾った荘厳なステンドグラスが展示されており、アール・ヌーヴォーグラス館には、エミール・ガレやドーム兄弟などのアール・ヌーヴォーを代表する作家のグラス作品が飾られています。
展示品の数は、予想をはるかに超えていました。ひとつひとつをじっくりと鑑賞していると、あっという間に時間が経ってしまいます。
また、ステンドグラスの下絵なども展示されており、制作の過程を想像しながら、この壮大な100年前の職人の仕事に、思いを馳せることができます。
今年の夏には、ステンドグラス館、アール・ヌーヴォーグラス館の裏手にある旧三井銀行小樽支店を「日本近代絵画美術館」としてオープンさせることが決まっており、ニトリの所蔵する岸田劉生の絵画などが常設展示される予定だそうです。こちらも楽しみです。
また、今年2月までホテルになっていた旧北海道拓殖銀行の建物も、今後美術館として開業することになっていて、ますますこの一帯が賑やかになることが予想されます。
観光客にも市民にも愛される芸術村になっていくことを期待します。
(川)