シーサイド・イン

 小樽港線沿いに小樽港湾センターはある。第三ふ頭と色内ふ頭の間、龍宮岸壁の道路を挟んだ向かい側である。昔は小樽市港湾労働者福祉センターと言っていたのだが、現在は名称変更し、さらに愛称まで付いている。それが「シーサイド・イン」!!!
直訳すると「海辺の旅籠」って感じだろうか・・・。

 読んで字の如く、ここには港湾関係の団体事務所や理容所、食堂が入居し、宿泊施設、会議室が完備されている。廉価で泊まれる公共の宿ということで、観光客にも大変人気が高い。ただ、全6室しかないので、なかなか予約が取れない宿泊施設としてネットで有名である。

 ここには開設当初から1階に安くてボリューム満点のひら川食堂があり、大変人気が高い。
 私も30年ほど前には、昼食にちょくちょくおじゃましていた。場所柄、作業服を着た港湾労働者が多くを占める感じであるが、若いガテン系には大変うれしい食堂である!!!

 先日久しぶりに食べに行ってきた。ここの定食は400円。すでに盛られている数種類の皿から、好きなおかず皿を選び、丼ぶりに大盛りごはんと味噌汁をよそっていただくというシステムである。さらに追い銭して、おかず皿を追加でもらう若者もいる・・・。私は当然そんな芸当ができるべくもなく、さらにこの日は、ご飯を食べきれずに残してしまった・・・。

 まわりを観察していると、ラーメンとかつ丼、定食とそばなど大食漢のツワモノも相変わらず来店している中に、老夫婦だったり、観光客風、若いカップルもいた・・・。

 ここは運河に面していることもあり、臨港線沿いに立ち並ぶ旧小樽倉庫、大家倉庫、運河クルーズ船や水辺に漂うかもめ、ウミネコを見ながらのランチを楽しむ事ができる恩典もある。

 静かに運河を見ながら、コーヒーでも・・・、とは違った雰囲気ではあるのだが、石川啄木の詠んだ「かなしきは 小樽の町よ 歌ふことなき人人の 声の荒さよ」という小樽が活気に満ちている様子を歌に詠んだという後年評価を思いながら、ここを訪ねるのも一興かと思うのだが・・・。

(斎藤仁)