地獄坂のその先

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駅前通りから商大へと続く地獄坂。
地獄坂の終点は商大の正門までだと思っていませんか?

実は地獄坂はまだ続いています。
商大の正門前を通りすぎると、右手に体育館、その先にサークル会館や学生寮と商大の建物が並んでいます。しかしその先へ進んでみるとそこを抜けてもまだ道が続いているのがわかると思います。

更にその先へ少し進むと商大のグラウンドがあります。

その先には森が見えて、一見ここまでかと思いがちですが、よく見るとまだ歩道が続いているのです。

小樽は坂の街で、坂の上から海を望むのが醍醐味と紹介されますが、坂の上に続く山の中で自然を感じることもできますよ。
JR小樽駅から小樽商大は徒歩でもおよそ30分程度です。
海と山の距離が近いので両方を楽しめるのが小樽の魅力ですね。

さて、歩道に沿って山の中へ入っていくと、道は少しうねりながら傾斜を登っていきます。辺りには背丈の大きな木々が生い茂っています。
木々の葉に陽射しが遮られて、暑い夏でも少しひんやりとして、山の独特な瑞々しい空気と自然の匂いを楽しめます。
他にも鳥の鳴き声や虫の声が聞こえたり、時折キツツキが木をたたく音が聞こえたりなど聴覚からも自然を楽しめますよ。
五感で楽しめるのが自然の醍醐味ですね。

また季節によって、姿を変えるのも山の魅力ですよね。

春は足元の水たまりによく目を凝らしてください。
よく見ると小さなおたまじゃくしがゆらゆらと泳いでいます。
札幌生まれ札幌育ちの私は、大学に入ってこの山で、初めておたまじゃくしを見ました。おたまじゃくしなんてイラストでしか見たことがありませんでしたから、かなり感動を覚えました。

さて春を過ぎて、少し暑くなり始める6月頃になると山にはエゾハルゼミの大合唱が響きわたります。
蝉といえば真夏のイメージがありますが、エゾハルゼミは名前の通り少し季節が早いのです。
この頃は大学で授業を受けていても大合唱が聞こえてきたりします。
小樽に通い初めて3年目となった今では、それを聞いて夏が始まるのだなぁと思ったりして。
夏になると夜空が綺麗です。山の方に上がると明かりが少ないので星が綺麗に見えます。街中で見る景色とは全く違います。

北海道の短い夏を終えて、涼しくなるとこの山も紅葉の季節を迎えます。
赤や黄色に染まった山は美しいです。

そうして冬になると山は雪を被り、山の中には入れなくなりますが、雪の積もった木々は遠くから見るととても綺麗ですよ。

このように、商大へと続く長い地獄坂の少し先には、豊かな自然があります。
小樽の海の景色を満喫した次は、是非振り返ってみて、背中にそびえる山の中で自然を感じてみるのはいかがでしょうか?

海と山の距離が近いのが自然に囲まれた小樽の魅力であると思います。

(船)