近所の猫

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張碓には私の父方の実家がある。皆さんは張碓町という小さな町をご存じだろうか。

昔は駅もあり、海水浴場もあり、海の家もあり、今とは違いにぎわいもあったのだろう。
今とはと言ったが、今現在人口は786人。買い物ができるような店は昔は2件あったが今はもう店をたたんでいる。主な施設と言えば町民会館と郵便局くらいであろうか。

少子高齢化が進んでいることが張碓小学校の全校生徒の数からみてもはっきりとわかる。隣町の春香町と合わせて54名がこの張碓小学校に通っている。複式学級を採用していることを考えるととても小さな小学校だろう。逆に考えると札幌と小樽の間にある北海道の地方にあるのどかな集落ともいえる。

祖母の家に行って半日過ごしてみると、ほとんど車も通らず静かな町だと感じる。それを求めてか近年ではリゾート風の外見でテニスコート付の別荘なども見るようになった。張碓町を知らないひとがひとたび訪れると少し驚いてしまうかもしれない。

こんな小さな町だから近所付き合いも多い。「野菜とれたからおすそ分け」といきなり訪問するおばあちゃんや、隣の家の孫である私にお年玉をくれる人たちなど。昔ながらの日本がこの張碓町には残っているのかもしれない。

この写真の猫はある意味野良猫、ある意味隣の家の猫だ。基本的には外にいるが餌を食べに隣の家に来るし、玄関にふつうに入って、普通に出てきて、そんな自由気ままな猫だ。
顔も覚えているのか私にもまったく警戒心はない様子だった。こんなのどかな町にはこんな気ままな猫たちがぴったりだろう。

(松山真己)