小樽工業高校
小樽工業高校は天狗山スキー場に続く千秋通りのほぼ真ん中、最上町1丁目にある。昭和14年(1939年)設立の庁立小樽工業学校として開校し、道内では、函館、札幌、苫小牧の各工業学校に次ぎ、釧路工業と同じ道内4番目の伝統を誇っている。
昭和25年(1950年)から43年(1968年)までの18年間小樽千秋高校と名乗り、普通科を併置していた。それゆえいまだこの高校を「千秋(せんしゅう)」と呼ぶ妙齢の市民も多い。
私にとっては、亡父が昭和41年(1966年)から退職まで奉職し、倅が3年間お世話になったこともあり、先代木造校舎の時代から現在に至るまで大変馴染みの高校である。
木造校舎の思い出であるが、確か小学校の3-4年生の頃、母親に連れられ姉と秋の学校祭に行ったことがあった。各科の教室、実習室が迷路のように入り組んでいて、細い廊下、狭い階段、自分がどこにいるのか全く分からなくなったのだ。その時感じた校舎の広さは、恐怖さえ覚えた。
さらに、学校上の教職員公宅に小学4年生から住んでいたこともあり、校内を天狗山→二楽園と流れてくる小川だったり、山側の法面だったりが格好の遊び場だった。
放課後グラウンドで行われている、野球部やサッカー部の練習を見たり、ブラスバンドの音楽が聞こえたり・・・
小学生の時、姉と千秋通りを歩いていると、
「アベックさん、アベックさん・・・」と冷やかされたり・・・。
私がそれを無視していると、姉が
「アベックではありません!!!弟です!!!」
と教室から冷やかした樽工生にまじめに応えたり・・・
その後、昭和57年(1982年)から鉄筋4階建2代目校舎が一部完成し、現在にいたるわけである。この新校舎にも倅同様、私もPTA役員として卒業後も含め、7年間通わせていただいた。
道教委の発表では2020年の予定で小樽商業高校と合併し、新実業高校ができると言われている。工業系実習棟の関係で、校舎はここを使うようであるが、学校の歴史はどう受け継ぐのかと考えている。
(斎藤仁)