猫のいる坂道

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小樽は坂の多いまちだ。坂道の横道もまた坂だし、その横道もまた坂だ。
地獄坂に平行した小道もまた坂になっていて、そこにはいつも猫がいる。

さすが港町だけあって、小樽は坂だけでなく猫も多い。通学途中にも猫のいる道がある。
地獄坂から脇にそれた小さな坂道。どうもその道の住人たちが猫好きなようで、そのために猫が居ついているらしい。そこを通ると本当は少しだけ遠回りになるのだけれど、猫にあえるかもしれない!と思えばそんなことはどうってことない。毎日のようにその裏道を通る。

春には子どもを産むらしく、運がよければ子猫にあえる。あるときには側溝でだんごになって遊んでいる子猫を見かけた。眼福である。

母猫がお乳をあげている姿を見かけたこともある。あまりのかわいさに写真を撮ろうとしたけれど、警戒した母猫に威嚇されて、泣く泣く断念した。

猫はそこで子育てもしているみたいだ。子猫がだんだんと大きくなっていくようすが見られうれしい。親と同じような気持ちになって、ついつい見守ってしまう。カラスにねらわれているところを見かけたときにはひやひやした。数が減っていないか思わず数えてしまう。すくすく育ってほしいものだと思う。

今時期はさすがにほとんど姿を見ることはない。今年は寒さが厳しいから、どうやって過ごしているか心配だ。あそこにいる猫は飼い猫もいれば半ノラもいるみたいだった。

どこかでうまく暮らしているといいなあ。
どうか来年も元気な姿を見せてほしい。

(ぶたまん)