素朴なおいしさ、小樽ピロシキ

piroshki

小樽駅前の通りを運河に向かって歩いていくと左手にこんなのぼりがはためいている。「小樽ピロシキ」。小樽とピロシキって何かつながりがあるのかしらと思いつつ、これがおいしいんだ。

ある日、友達二人と学校帰りにカラオケに向かう途中で、友達が言った一言がきっかけだった。
「ここのピロシキおいしいんだよ」
たしかに、ちょうど通りかかったその店の前には「小樽ピロシキ」と書かれたのぼりが立っていた。
そんなに言うなら食べてみたい、と店に入ると、ちょうど三つ残っていた。

そもそもピロシキ自体を初めて食べる。正直な感想は「肉じゃがの入った揚げパン」。しかしこれがめちゃくちゃおいしい。
外側の衣がサクサクしていて香ばしい。中の具は少し甘めの味付けで絶妙だ。あっためて食べるとさらにおいしい。

以前とは別のメンバーで、またカラオケに行くことになった。カラオケ店に向かう途中、「小樽ピロシキ」ののぼりの前で私は友達に言った。
「ここのピロシキおいしいんだよ」
わいわい言いながら人数分買っていった。

不思議なことに、私が行くときはいつも小樽ピロシキはそのときの人数分しか残っていない。夕方だからだろうか。二人で行けば二つ、三人で行けば三つ。売り切れていることもときどきある。
「いつも人数分しか残っていない」だなんて、なにか運命みたいなものを感じる。なんて、ただの買い食いのいいわけでしかないのだけれど。

小樽ピロシキを売っているパン屋さんは小さなお店だ。店内は三歩もあれば歩けると思う。けれど地元の人に愛されるパン屋さんだ。こないだはラスクを買っていくおじいさんを見かけた。
ラスクもおいしいのかあ。今度試してみようかな。

(ぶたまん)