ここがあの一尊庵の坂

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小樽は坂の街なので、とにかくあちこちに坂があります。
生活する上では、坂道というのは何かと大変ですが、その坂に続く街並みや坂の上から見る風景などは、それが小樽らしさだったりもしますよね。

ちょっと前ですが、某人気テレビ番組の中で、そんな小樽の坂を手作りソリで滑って、小樽をPRするというコーナーがあったのですが(“あの番組だ!”と分かる方も多いかと思いますが)、その中で「一尊庵(いっそんあん)の坂」という坂が出てきました。

小樽には、名前のついた坂がいくつもあり、船見坂や地獄坂といった地図にも載っているようなよく知られた坂もありますが、この一尊庵の坂はあまり知られてない坂ではないでしょうか。
ということで、今回は、その一尊庵の坂に行ってみました。

実は小樽市のホームページ内に、この坂についての記載があるのですが、場所は真栄町で、勝納川に架かる奥沢中央橋のすぐ近くにある真栄会館の前から、山側に向かって緩やかに上って行く道があります。ここから山の方まで続く坂道が、一尊庵の坂と呼ばれます。

しばらくして正面に現れる崖を避けるように道は右に曲がり、この辺りから坂道は急になるのですが、次に左に曲がると、そこから坂道は山側へ向かって真っすぐと続きます。結構、急です。

そして、その急坂を上の方まで上って行くと、右側に一尊庵の坂の名前の由来を見ることができます。

この時はほとんど雪に埋もれてましたが、「一尊」と彫られた碑と、奥にはお地蔵さんが建ってるんです。ただ、見渡してもお寺の建物はありません。
ここにはかつて、一尊庵と呼ばれた小さな尼寺が建っていたのですが、その後、無人となり解体されてしまったそうです。

雪の季節は道も細く、この周辺に住んでいる方以外はあまり通ることのない坂道かもしれませんが、なるほど、坂にも歴史がありますね。

坂の上からは小樽港まで見えるいい眺めでしたが、雪のない季節にも行ってみたいです。そして、機会があれば、またこの場で紹介できればいいですね。

参考:小樽市HP内 広報おたる連載「おたる坂まち散歩」の「第42話 一尊庵の坂(いっそんあんのさか)」より。

写真:小梅太郎の「小樽日記」

(小梅太郎)