明日は雪

otaru_in_snow

「明日は雪だるまが降ってくるの?」テレビで流れる天気予報の雪マークを見ながら、まだ幼かった娘が言った。
「そうか、そうだよね。このマークは雪じゃなく雪だるまだよね。」

 雪だるまが降ってくる光景を想像したのと、子どもの純粋な眼の可愛さに笑いが止まらなくなった。翌朝、残念ながら雪だるまは積もらなかったが、一面雪の絵の具に塗り替えられたように真っ白な町。他の季節は色とりどりな町の屋根も木も道路も。眠気まなこをこすりながら窓の外を眺めた娘は大喜び。「雪だるま作る」「じゃあ幼稚園から帰ったら作ろうね。」

 近所の幼稚園へ通っていた娘は、妹が生まれてからしばらくの間、幼稚園バスで通園したが、冬になる頃には妹も連れて、徒歩通園できるようになった。

 冬道のお楽しみはソリ通園。
 幼稚園バスの通称「青バス1号」を真似て「青ゾリ1号出発~!」と意気込んで乗り込む。
 まだ小さい妹を前に座らせ、スノーウエアーで膨らんだ二人のお尻は青いプラスチック製のソリにピッタリ。
 青ゾリ1号が動きだすと、まだ話せない妹も一緒にキャッキャッと楽しそうに声をあげた。
 ソリが軽くなったので振り返ると二人揃って雪の上に転がり落ちていたり、姉が走って追って来たりと、10分間ほどの楽しい道のりはあっという間。

 自分も子どもの頃は雪が降ると毎日長靴の中までビショビショに濡れるまで遊び、家に帰ると母がストーブの前に新聞紙を敷き、長靴と手袋を温めてくれた。
 今は通勤路で出会う雪景色たちに心奪われている。陽が当たり仄かに橙色に染まる雪帽子を被った屋根、湿った大雪の翌朝の真っ白に染め変えられる樹木たち、街灯の下に映る空から舞う雪・・・etc。大人になった娘たちは小樽のどんな雪景色を見つけるのかな。

(erico)