稲穂小

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 私は1年間、稲穂小学校の旧校舎を見ながら勉強???していたことがある!!!
 稲穂小のグラウンドを挟んだお隣、現在の小樽市保健所、医師会館、福祉センターが建っている場所には、昭和45年(1970年)まで富岡小学校が建っていた。

 その富岡小学校が昭和44年(1969年)3月で閉校になり、4月から1年間、新築建替の緑小学校の仮校舎として使用された事があったのだった。

 その年に小学5年生を迎えた私は、前年緑町から最上町に引っ越していたにも関わらず、バス通学を許可され、高校生や社会人に交じり中央バス最上線の路線バスで通学していた。

 その仮校舎での5年生の教室が、稲穂小学校側に位置していた。窓の向こうには、先代稲穂小旧校舎の何とも斬新な、空から見ると鳥が翼を広げているようなデザインの学校が広がっていた。

 稲穂小のすべての教室が富岡小側に向いていたこともあり、休み時間など旧富岡小出身者同士、会話を交わすのもしばしばだった。間にグラウンドを挟んでいたのだが、現在のグラウンドは富岡小を解体した時に広げられたもので、当時はもう少し学校同士近かった。

 さて、件の稲穂小は明治28年(1895年)、19世紀末に開校した小樽の名門校である。なにが名門かというと、街場にあるという立地で、小樽経済界の子弟が学ぶ学校ということもあり、旧堺小、花園小と並び称される学校であった。石原慎太郎、裕次郎兄弟が学んだ学校としてもつとに有名である。また、小樽市小学校校長会の会長も稲穂小の校長が務めることが多いと聞いている。

 現在の校舎は平成8年(1996年)に建て替えられ、校舎の階下には小樽市生涯学習プラザレビオが入居している。帰りの時間の午後2-3時頃は、在校児童に交じり、文化サークル帰りの妙齢の男女が校舎前を行き来し、なんとも微笑ましい光景を見せている。

(斎藤仁)