雪の町小樽
小樽は、坂の町や港町であると同時に雪の町でもある。小樽は札幌と比べて雪が非常に多い。札幌では晴れているのに小樽では猛吹雪ということがよくある。気象庁の累積降雪量によると、2013年11月1日から2014年1月24日にかけて、札幌の229cmに対して、小樽は408cmと約2倍の雪が降っている。
小樽の雪の多さは数値だけではなく、実際に町を歩いた方がより実感できるかもしれない。住宅街を歩いていると、信号が手に届きそうな位置にある。これは、信号の高さが通常のものよりも低いわけではなく、積雪によって低くなっているのだ。また、歩道の脇に積み上げられた雪はかなりの高さがあり、雪の迷路を歩いている気分になる。
小樽は坂の町でもあるので、この時期は坂道が雪で覆われて非常にすべりやすい。そのため、小樽の街ではいたるところで、すべって転んでいる人をみかけることができる。これだけすべりやすいと坂をのぼるのを躊躇してしまいそうだが、ぜひ頑張ってのぼってほしい。坂の上からみる、小樽の雪景色は格別だからである。天気がいいと、雪で覆われた町の向こうに冬の日本海をみることができる。高い位置から、冬の町と海を同時に楽しめる場所は、他に中々見つからないだろう。
この時期、小樽に数多くある歴史的建造物にも多くの雪が積もる。歴史的建造物は木造のものが多く、雪の重みでいつか崩れてしまうのではないかという不安があるが、多くの建造物は雪の重みに負けずにしっかりと保っている。数十年、数百年たっても雪で崩れない建造物を建てた昔の人たちの技術を実感できる。
小樽に観光で来る多くの人は、新千歳空港や札幌からJRで来る人が多いと思うが、JRからみる小樽の冬の海も格別だ。銭函駅から朝里駅までの間、列車は海岸線ぎりぎりのところを走っている。寒いのが苦手で、冬にあまり外に出歩きたくない人も冬の小樽を楽しめるだろう。
(貴)