花園会館

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 花園会館は第三大通りに面する、昭和2年(1927年)築の洋風町内会館である。小樽市内に数ある町内会館で、小樽市歴史的建造物に指定されているのはここだけである。

 会館前にある歴建案内板には、会館の維持管理は周辺の6町内会が出資する有限会社で行っている・・・と記載されている。

 実は私の住むマンションもこの花園区域で、6町内会の一つに加盟していたが、昨年からマンション70軒で町内会を立ち上げ独立させていただいた。

 案内板に記載されている6町内会に加えていただき、現在は、7町内会による運営ということになっている。

 さらに詳しく説明すると、現在小樽市総連合町会に加盟している町内会は151団体あり、それを花園、稲穂、銭函など19の地区連合町会に分けている。この花園会館は、花園地区連合町内会に加盟している町内会が管理運営しているという事なのである。

 昔は、地域の町内会館での会合、葬儀、子供の習い事等の利用が多くあったのだが、現在はどこも運営に支障をきたすような利用状況であると聞く。花園会館も例に漏れずの状態が続いている。

 火の見やぐらの階段が錆びてあぶないから撤去した。水抜き栓を取り換えなければならない。窓ガラスが雪で割れた等、毎年の修繕費もばかにならない。

 私も前述マンション町会の会長を務めている関係で、昨年から何度か、この花園会館での会合に出席させていただいている。古い建物にありがちな、夏は暑い、冬は寒い状態だ。

 ただ、前回会議の席でこんな報告があった。2月、花園3丁目の飲み屋街で犠牲者が出た火事があった。その時の延焼で隣のアパートが焼けたのだが、焼け出された住人2名を次の家が決まるまで3週間、逗留させていたという。

 事が事だけに、かかった経費は頂かなかったという。その代わりというと失礼だが、お世話になりましたと、菓子折りを置いて行ったという。私も会議の席、どら焼きを一つご相伴にあずかった。

 まさに町内会組織の面目躍如という事と思った。過去にも同様の事があり、2度目の対応との事だったが、地域住人の余り知らない役目もあるのだと感心し、町内会館は地域には無くてはならない施設なのであると、改めて思った次第である。

(斎藤仁)