広くて急な手宮の十間坂

zyukkenzaka

坂の街小樽には、名前のついた坂がいくつもありますが、今回歩いて(上って)きたのは、手宮にある「十間坂(じゅっけんざか)」です。

手宮仲通りの手宮市場近くの交差点から、ふと横に目をやると、とても幅が広くてかなり急な坂道がその先に続いてます。

この坂道が十間坂で、“手宮にある十間坂”と呼びましたが、住所でいうと、石山町と錦町の境に位置してます。

この坂道については、小樽市のホームページ内に記載があるのですが、道幅が尺貫法の十間(約18メートル)あることが名前の由来で、その昔は火災が多かったので、延焼を防ぐ防火帯として幅を広くしたそうです。

実際に坂の下までくると、確かにかなりの幅で、その幅のまま坂道は上っていくのですが、傾斜は上るにつれかなりの急坂になっていきます。

ただ、この十間坂を上った正面には山(荒巻山)があって、坂はその手前で途切れているんですよね。なので、この坂道を上り下りするのは、この辺りに住んでいる方と、そのお宅に訪れる方ということですね。

荒巻山の向こうは稲穂町になるのですが、かつてはこの山を開削して道路を通す計画もあったそうですよ。ちなみに、ここ十間坂と平行して山側にある浄応寺の坂が、手宮方面と稲穂町方面をつなぐ抜け道として利用されていて、車の通行量も多いですね。

十間坂を上から振り返ってみると、広く急な坂道の先には手宮の街並が続き、その向こうには手宮公園の緑が見え、ちょうど正面にはその手宮公園へと上る、「励ましの坂」の長く急な坂道も眺めることができます。

この十間坂の上から見る、手宮の街並を見渡す風景はとてもいい眺めなんですが、昔の手宮地区は大変な賑わいだったとのことなので、ここからの景色も随分と違ったものだったのでしょうね。

そうそう、この坂の下に続く十間通りは、いか電広場とも呼ばれていて、夏にはイベント「手宮ビアガーデン」が開催され、とても盛り上がるそうですよ(以前は「おたるいか電祭り」が開催されていました)。

(参考:小樽市HP内 広報おたる連載「おたる坂まち散歩」「第4話 十間坂(前編) 荒巻山と十間坂」より)

写真:小梅太郎の「小樽日記」(掲載写真は昨年のものです)

(小梅太郎)