おたる水族館海獣公園ガイドツアー

aquamuseum

日本海に面した場所にあるおたる水族館。
冬期営業期間中は海の動物たちがいる海獣公園は閉鎖され、関係者以外は立ち入ることができない。海が時化る時など、波が公園まで押し寄せ、あちらこちらが凍りついてしまうのだから仕方がない。

その誰も見ることができなかった小樽の秘境ともいえる冬の海獣公園が、去年から人数限定ではあるが「海獣公園ガイドツアー」として公開されている。
おたる水族館ファンにとってはたまらない企画だが、ファンのみならず、観光客や市民にとっても一度は参加していただきたい充実した内容のツアーだ。

雪に覆われた海獣公園を本来ならスノーシューを履いて見学するのだが、私が参加した今年最初のツアーは雪が少なかったためスノーシューなしでも快適に見て回ることができた。
公園内に入っていきなり目に入ってきたのは遠くに見えるトド岩に寝そべる野生のトドたちだ。貸し出された双眼鏡を覗いて、初めて見る野生のトドに大感激。
公園まで降りて、越冬プールにいるアザラシたちを見学。夏のプールとは違う場所にいるのだが、寒い冬でものんびりお昼寝をしている姿はとても癒し系。
夏の間、多彩な芸で楽しませてくれたセイウチのウチオとウーリャも元気で、相変わらずの芸達者ぶり。
トドプールでは大きな鮭を振り回しながら丸呑みにする豪快なお食事タイムも見ることができた。ガイド役の飼育員さんからは、寒さが苦手なフンボルトペンギンの話や、アゴヒゲアザラシの話などが聞けて、夏では気が付かなかった様々な動物の姿に参加者皆が「へ~」とうなずく。
ツアーが終了したころには頭上をオジロワシが飛んで行った。

おたる水族館のブログやFacebookページなどでしか見られなかった冬の海獣公園を自分の目で見られたこのツアーは、水族館の海獣たちだけではなく、野生の動物たちも顔を見せに来てくれる、とても豪快で楽しいツアーだった。

今年の海獣公園ツアーも冬期営業もすでに終了しているが、がっかりすることはない。3月21日からは通常営業が始まり、海獣公園もいつでも見に行くことができる。早春は運が良ければ雪がちらつく海獣公園が見られるかもしれない。

(まがら りか)