量徳寺
おたるくらしに、何度か登場させていただいた、小樽仏教会所属六十七寺院のうち五寺院しかない一級寺院。今回は、その一つ、量徳寺をご紹介させていただく。
ここは、市民生協小樽南店の小樽駅側に位置し、住所表示は入船1丁目。お隣が花園3丁目なので、入船町と花園町の境目ということになる。現住職の岡崎芳明氏は、地元のPTA会長、小樽南ロータリークラブの会長も務めた、地域の代表である。
ちょっと昔40年ほど前は、現在生協のあるところも境内で、付属幼稚園と共に入船大通りからの、長い参道も有する、檀家数日本一と言われた真宗大谷派の大寺院であった。
ここの起こりは安政元年(1854年)、有幌町に置かれた草庵だという。中学校歴史教科書に出てくる、黒船ペリーの日米和親条約締結の年である。現在の入船町には、明治5年(1872年)に移転している。
この界隈、量徳町と称し、小樽教育発祥の地として有名な、廃校になった量徳小学校の校名にも名残があった。日本一の檀家数もうなずけるというものだ。
今は、なんと言っても、京都新撰組副長永倉新八の菩提寺であることから、平成16年(2004年)放送NHK大河ドラマ「新撰組」以降、マスコミ等に取り上げられる機会が多いようだ。
永倉新八は、幕末から明治の転換期を生き長らえ、晩年をこの小樽で過ごしたという事は、広く知られていたが、ここが菩提寺であることは、過去帳に結婚後の名前「杉村義衛」の名前があったことから、わかったという。
ちなみに、永倉の墓は全国3,4か所に現存し、北海道にはここ小樽と札幌にもあるという。
岡崎住職にうかがったお話しだと、杉村家はすでにここの檀家ではないが、ご子孫は札幌に在住されているとの事。
寺内には、永倉新八ミニ資料館が、入口玄関すぐ右側に設置されている。どなたでも自由に見学できるようになっており、是非、お時間のある方は、ご覧いただきたい。
(斎藤仁)