入船七叉路

Marchen_Crossroads

小樽観光の人気拠点の一つ、メルヘン交差点は昔、入船七叉路と言われていた。そう、交差点に7つの道路が入り込む七叉路である。五叉路、六叉路ならどこかにありそうだが、なんと七叉路が小樽にあったのだ。

7つの道路のうち、道道小樽臨港線から交差点への、ショートカット道路2つの、交差点側入口をつぶし、5つの道が入り込む現在の形になり、名前もメルヘン交差点となり、観光客で賑わうメルヘン交差点広場が誕生した。

七叉路だった頃も幾度となく、車で通過しているが、特にトラブルもなく不便も感じたことはなかった。まあ、ちょっと複雑かなくらいの感覚で、前述2つの道路も、当時からほとんど使われていなかった。

このメルヘン交差点、歴史的建造物、観光拠点の宝庫である。
北海道・小樽土産店の雄である2店舗、銀の鐘(旧中越銀行小樽支店)、スーベニール小樽(旧戸出物産小樽支店)。道東の帯広市と中空知地区の砂川市それぞれのスイーツ名店、六花亭、北菓楼(旧日藤倉庫)。テレビでも頻繁に取り上げられる、小樽を代表的スイーツ店ルタオ。何といっても小樽と言えば硝子とオルゴール、小樽オルゴール堂一号館、二号館、からくり動物園、蒸気時計(旧㈱共成)。堺町郵便局、オタルナイ運上屋蹟等々・・・。
いつも観光客で賑わい、記念撮影などでいろいろな国の言葉が行き交っている。

写真右上、小樽オルゴール堂2号館が、自動洗車場だった30年ほど前、年の瀬を迎えるころ、国道5号線入船十字街から洗車する車が、何百メートルも長蛇の列をなしていたのを思い出す。

最近では2007年に放送された、舞台を小樽に置き換えた『黒澤明ドラマスペシャル「天国と地獄」』で、誘拐犯人役になった人気俳優、妻夫木聡が、北一硝子から出てきて、この交差点を往来する場面があった。

そのロケは、観光客のいない夜の11時過ぎから夜中の2-3時頃に行ったようだ。その場面にバイト帰りの愚息が遭遇し、ほんの1秒ほど交差点を横断する妻夫木と一緒に映りこんでいた。
「あっ、映っている、映っている!!!」
「あらら・・・!!!」
放送日の我が家は大騒動!!!
まあ、他愛のない話ですが・・・。

(斎藤仁)