ぱんじゅう

panjyuu

平成26年3月、小樽駅前通り(中央通り、最近はセピア通りとも・・・)、昔懐かしい田中のぱんじゅう屋跡に、新しいぱんじゅう屋正福屋がオープンした。

ぱんじゅうは読んで字の如く、パンとまんじゅうの造語という説が一般的だが、小樽市民にとっては、ソウルスィーツの一つに数えられる。

ピンと来ていない読者のために、ぱんじゅうの解説をさせていただく。今川焼(大判焼、おやき)から派生した、半球型、釣鐘型をしたたこ焼きより少々大きめの、焼き菓子、一口で食べられることから、今川焼、たい焼きよりも食べやすく買いやすいものだ。現在では、あんこ、クリーム以外にも、チョコ等いろいろな餡が使用されている。

このぱんじゅうが、全国ではほとんど知られていないというのに気付かされたテレビ番組があった。90年代フジテレビ系深夜番組で、欧米のゲーム名を冠した「たほいや」というクイズ番組があった。

広辞苑から誰も知らなそうな言葉をひらがなで拾い、三谷幸喜、松尾貴史、山田五郎などの回答者が、いかにもその言葉に合いそうな、解釈を書いて、正解とみんなが書いたものを混ぜ合わせ、正解を導き出すという一風変わったクイズ番組だった。それに「ぱんじゅう」が出たのである。

その瞬間、私は、ぱんじゅうに違う意味があるのかと思ったのだが、正解は、私たちが日ごろ食べているぱんじゅうそのものであった・・・。
「日本国民は、ぱんじゅうを知らないんだ!!!」
「なんたることだあ!!!」
家族の寝静まった深夜に、一人テレビを見ながら、そんな心の叫びを発していた。

ぱんじゅうは大正時代からあったようだが、田中のぱんじゅう、花銀たけや、がんじろう等有名店は、すでに廃業している。今は都通り西川のぱんじゅう、北のウォール街交差点桑田屋ぱんじゅう、桜町シガスーパー裏と正福屋ぱんじゅうの4店を残すのみとなった。

(斎藤仁)