レトロな教会を訪ねて

tomioka_church

 小樽商科大学へ続く地獄坂をほんの少し登ったところにある「カトリック富岡教会」。小樽商科大学の学生であればほとんどの人が毎日見ることのできる教会だ。しかし、実際にこの富岡教会へ行ったことのある学生は何人いるのか。おそらくほとんどの人が通学路から教会を見るだけで実際に行ったことはないだろう。自分もその例外ではなく今回、初めて富岡教会を訪れた。

 教会の外見は日本人が一般的に連想するであろう白い教会ではなく、コンクリート造りの灰色の教会。築80年を超える古い建物だ。

 実際に近くまで行ってみるとその大きさに驚かされる。建物自体は2階建てだが十字架が掲げられている塔が高く近くまで行くとすこし見上げるくらいだ。
 中に入ってみると教会の中は歴史を感じさせるレトロなつくり。コンクリート造りの外見とのギャップを感じてしまうほど。白い壁に木の床、木の机。きれいなステンドグラス。まさに教会といった内観である(他の教会に行ったことなどないけど・・・)

 教会の中に入ったとき、ふと懐かしさを感じた。富岡教会には初めて来た訳だし、教会の類にも生まれてこの方、行ったことなどないのに。

 その理由はちょっと考えるとすぐに答えが出た。富岡教会の内観は自分の通っていた幼稚園とそっくりだったのだ。幼い時に通っていたその幼稚園もカトリック系の幼稚園。園舎は木の床で歩くと至る所からギシギシ音がして、冬場はとても冷たかったことを今でも覚えている。
 幼稚園などもう16年以上も昔のことなのに、富岡教会を訪れて、「あそこであんなことしたな」、「友達とあんなことをして遊んだな」などその当時のことがぽつりぽつり思い出されていった。普段、生活していて幼稚園時代のことなど思い出す機会はそうそうない。当時、通っていた園舎も建て替えられ今は立派なものになっている。自分が通っていた時のものはおそらく何一つ残ってはいないだろう。そんな中で思いがけず小樽の地で小さい時のこと思い出せた良い機会となった。

(ぴくし~)