学ラン

gakuran

「小樽昭和ノスタルジー」だけではなく、2010年発行の岡田明彦写真集「記憶の小樽」にも掲載されているこの写真は、昭和30年代前半から40年代前半生まれで、昭和50年前後に高校生活を過ごされた読者の皆様にとって、懐かしさ、滑稽さ等、複雑な感情が入り混じりながら見入ってしまう一枚である。

パーマのあて方、学生服の長短、ズボンのわたり幅、履いている冬靴。この時代、こんな男子高校生が街中にいたものだった。もちろん今、こんな高校生はタイムスリップか、押入れの奥にあるアルバムを引っ張り出さない限り、見ることはできない。

ちなみにすべて校則違反である。生徒指導の先生方の目をかい潜りながら、涙ぐましい努力の結晶として、花銀闊歩が実現したと思っていただきたい。

リアルタイムで、その時代ファッションの真っただ中を走り抜けた者、外野から傍観した者、そんな時代は知らなかった者、それぞれに見えてくる景色は違ってくる。

誤解の無いように付け加えておくが、写真のような高校生は、決してマジョリティーではなく、あくまでマイノリティーであった。

話しは飛ぶが、私が経験した、ある2人の女性の、会話エピソードを一つご紹介させていただく。

昭和18年生まれの方が「やっぱりポール・アンカのダイアナよ」と言った。
昭和21年生まれの方は「私は飯田久彦のルイジアナママだわ、ラジオから流れてきたら勉強やめて、歌詞を書き写したもの」と言ったのです。

これは中学2年生の時に何の曲が、流行ったかという、話しの中に出てきたものだった。

後の世代から言わせていただくと、ダイアナもルイジアナママもオールディーズナンバーで同じような時代感覚だが、リアルタイムで駆け抜けてきた人達にとって、1-2年の違いは大きく、思い入れの曲もかわってくるのだなと実感した時だった。特に思春期のインパクトは、絶大だ!!!

この写真四人組の現在を見てみたいと思っているのは、私だけではないはずだ。

(斎藤 仁)

写真:小樽昭和ノスタルジー(ぶらんとマガジン社刊、12-13ページ)