小樽駅のプラットホーム

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この写真は「小樽昭和ノスタルジー」118-119ページに掲載されている。小樽出身の写真家岡田明彦氏の作品だ。

小樽駅3番ホームから、お客さんが階段を下りている昭和43年頃の写真である。

小樽駅はその頃、駅舎寄りから0から3番の番手が付いていた。現在は逆に山側から、1から5の番手が付いている(なぜか3番ホームはない)。これはJRの駅舎が南側から北側にむかって番手を付けているのにならったのだと、現在の安藤昭彦駅長が教えてくれた。

札幌駅は駅舎近くから、1番ホームと付けられているが、小樽駅は北側に駅舎があるので、駅舎近くから大きな数字となる。

それで行くとこの写真は現在の1番ホームという事になる。

SLの客車窓を大きく開け、片肘ついて出発を待っている乗客の姿、アッパッパーを着たご婦人、妙齢の和服婦人の姿も見える。

昭和42年に始まった「おたる潮まつり」の提灯、風鈴が写っているということは、季節は7月、夏真っ盛りだろう。

小樽からは上下線ともにトンネルが多くあるので、SL客車は大変だった。

当時はクーラー車が無いので、夏の暑い日は、窓を少しだが開けている。トンネルに入る時、汽笛で教えてくれる。これが、窓を閉めろの合図である。稀にだが忘れたり、遅れる輩がいる。そうなった時は、悲劇である。

小樽-札幌間は複線でトンネル容積も大きいので、まだよいのだが、余市方面は単線でトンネル幅も半分以下であるため、細い煙突の中をくぐるような感じになる。

漫画のように、顔が真っ黒になるわけではないが、結構笑える黒筋が付いたりする。もちろん私も経験者である。

写真小樽駅ホームの柱は、使わなくなった線路を利用している。今も同じであるが、意外と知られていない。現在の、柱と北一硝子のランプの組み合わせも、小樽ならではの光景だ。

(斎藤 仁)

写真:小樽昭和ノスタルジー(ぶらんとマガジン社刊、118-119ページ)