おたる潮まつり

ushiomatsuri

30年前の学生の頃、毎年7月に開催される「おたる潮まつり」のカメラマン助手のアルバイトをやったことがある。
カメラの機材と脚立を持って、ひたすらカメラマンにくっついて走り、指定された場所に脚立を立て、指示された機材を渡すバイトである。

しかし、大変なんだな、これが。

おたる潮まつりの最大のイベント「潮ねりこみ」。
1チーム数十名に及ぶ「潮ねりこみのチーム」が、花園商店街をスタートとして、三波春夫さんが唄う「潮音頭」に合わせて踊りながら、ゴールの第3埠頭を目指す。

「どんどこざぶん、どんざぶん」

小樽市民なら間違いなく誰もが口ずさめる「潮音頭」。
この音頭をバックに続々とチームがスタートしていく。
そして、その列が延々と続く。

「いつ終わるんだ・・・」

僕は、バイトをしながらそう思っていた。

(ちなみに、2011年は77団体/6,142人が参加していました)

そうやって、スタート風景の撮影が終わる。
が、そこでアルバイトが終わる訳がない。
実は、ここからが本格的なスタートである。

今度は踊っているチームをひたすら追いかけての撮影が始まる。
百戦錬磨のカメラマンは、ダーッと走っては良い場所を見つけ、パシャパシャと撮る。
僕はヒイヒイいいながらそれを追いかけて走る。

もうクタクタである。

そんな中、目に入るのは踊っている人々の満面の笑顔。
みんな、実に楽しそうに踊ってるんだなあ。

そんな楽しそうに踊ってる皆さんを見てると、思わず疲れも吹き飛ぶわけがない。
こっちは相変わらず、ヒイヒイ言いながらカメラマンを追いかけ、ようやく第3埠頭に到達した。

 

・・・・記憶では、その日の夕陽はとてもきれいだった。

 

次の日は、もうひとつのメインイベント「花火大会」。

これまたすごい数の人が集まる。
が、そこは写真撮影というお仕事をしている身、一般の人が入れない最前列に陣取っての撮影が始まる。
かといって、助手の僕が撮影などする訳もなく、特等席でひたすら花火を堪能。

真上でデッカイ花火が地面を揺らすほどの大きな音を立て、煌めきながら散っていく。

本当に素晴らしかった。
今度こそ、疲れが吹っ飛んだ気がした。

そして、ぼくにとっての小樽の暑い夏が終わった。

 

今年のおたる潮まつりは、7月25日から27日です。

 

(みょうてん)

写真:小樽市観光振興室