水天宮に上るもう一つの坂道
小樽市指定歴史的建造物でもある水天宮は、その建物の厳かな佇まい、境内のとても静かな雰囲気、そしてそこから一望できる小樽港の眺めと、小樽市民にもお馴染みの人気のスポットですよね。
特に、境内から間近に眺めることのできる小樽港はとても綺麗で、この眺めがお気に入りの方も多いと思いますが、もちろん、この水天宮が高台にあるので、その素晴らしい景色を見ることができるんですよね。
つまり、ここからの景色を見るためには、せっせと高台まで坂道を上ってこないといけない、というわけです。
この高台にある水天宮に向かうためには、いくつか方法がありますが、公園通りの花園町側からきて、鳥居をくぐって石段を上って行くのがやはり一般的でしょうかね。
他にも、堺町方面から上ってきて、東雲町から旧寿原邸の前を通ってきたり、海側の「外人坂」と呼ばれるとても急な坂道に続く階段からは、直接境内にも上ってこれます。
そしてもう一つ、入船町側から水天宮に上る坂道があります。
観光客で賑わうメルヘン交差点の近くにある、スーベニールオタルカンと堺町郵便局の間の通りを入って行き、いくつかの建物を過ぎると、右手に遥か遠くまで続く(ように見える)、長く急な坂道が目に入ってきます。
その上った先が、水天宮です。
実際に坂を上ってみるとかなり急で、途中では周囲が開け、振り返ると海や山々を見渡せてとてもいい景色なのですが、坂はどんどん急になります。
追い討ちをかけるように、坂の終盤は石段になり、最後は足もガクガク、息を切らせてやっとの思いで水天宮に到着です。
わざわざ、この急な坂道を上って水天宮に行く人はいないかもしれませんが、ゼイゼイ言って汗をかきながら上ってきた後に見る、境内からの小樽港の眺めは、これまた清々しく格別だったりするんですよね。
この坂道、名前は付いてないようですが、こんなところに坂道があるのもまた、坂の街・小樽ならではですよね。
(小梅太郎)
写真:小梅太郎の「小樽日記」