鳥居の向こうに見える一本道

ryugu_jinjya

これは龍宮神社の鳥居をくぐり、階段を上まで上りきったところで撮影した写真だ。鳥居の向こうにまっすぐ道が続き、はるか遠くまで見渡せる風景が私は気に入っている。

小樽駅から出て左に曲がり、三角市場をまっすぐ行けば、左手に龍宮神社が見える。
私はその存在を当初知らなかったのだが、小樽駅にとても近いこともあり、小樽商科大学からの帰り道にふらりと周囲を散策した際に見つけることができた。

この写真を撮影した日はかなり雪が降っており、一本すっと通った道の向こうが霞んでぼやけ、遠くまで見渡せなくなっていた。だが、澄み切ったよく晴れた日であれば、さらにどこまでもまっすぐ続く道が伸び、青い空を背景により遠くの風景が見える。

龍宮神社に向かう道の途中では、この風景に気づくことはできない。鳥居を目指して道路の下方からのぼっていくときには、こんなにまっすぐな一本道が鳥居を通してずっと通っているとは想像できないだろう。龍宮神社に詣で、その帰り道、階段を下る前にふっと視線をあげ、真正面を遠くまで見渡してみることでしか気づくことができない光景だ。

ところで、龍宮神社とはどんな神社なのであろうか?
龍宮神社は、榎本武揚ゆかりの神社である。榎本武揚は北海道開拓事業につとめた幕末明治期の軍人、および政治家である。詳しいことは龍宮神社にある立て札にも書いてあるので、一度訪れて読んでみることをおすすめする。
私は最初に訪れたとき龍宮神社の存在も知らなかったほどであったので、もちろんこの人物についても知らなかった。北海道開拓事業といえば、小樽の果たした役割はとうぜん大きい。小樽駅の近く、すぐ見つけられる神社だが、ここにもちゃんと小樽の歴史があるのだ。

ふらりと寄っただけで、詳しいことはなにも知らず風景に惹かれた神社であるが、このような歴史があるとは思いもよらなかった。さりげない風景の中にも歴史がある。大学の帰り道でふと思い立ったふらふら散歩であったが、思いのほか小樽はおもしろいなあ、いやはや勉強になった、と思ったしだいである。

(抹茶)