小樽の車窓から~帰省の思い出

shoreline

JRで小樽から札幌に向かうと、列車の窓からは小樽の海を眺めることができます。

小樽築港駅を出てトンネルを抜けると、左手に東小樽海岸が見え、そこから朝里、張碓、そして銭函まで、列車は小樽市内の海岸沿いを走るんですよね。

これ、小樽市民ですと、列車に乗れば目にするお馴染みの、そして当たり前の風景ですが、考えてみれば海岸線をずっと線路が走っているんですから、ちょっと珍しいですよね。
そして、またこの眺めが素晴らしい!

私は以前、小樽を長い間離れていて、お盆や正月に帰省をしていたのですが、この車窓からの風景がとても印象深かったものです。

飛行機で新千歳空港に着いてから列車に乗り、ガタゴトと揺られながら札幌を過ぎ、長い時間をかけてやっと小樽に戻ってくるんです。
そして、銭函駅を過ぎると車窓から見えてくる、見慣れた変わらぬ小樽の海。

「あ〜、帰ってきた〜」と実感したものです。

窓からボ〜ッと久しぶりの小樽の海を眺めていると、そのうち遠くに小樽の街並が見え隠れして、その時間が夜だと、ネオンの光がチョロチョロと見えたりして、それもまた久しぶりの小樽への思いがこみ上げてくるんです。

反対に寂しいのが、帰省休みが終わって小樽を離れるときです。

車窓から小樽の海をぼんやり眺めながら、またしばらくは故郷・小樽ともお別れだと思うと、ちょっと黄昏れたりして…
そして銭函を過ぎて、いよいよ列車が海岸線から離れて行くと、その後はしょんぼりと、空港まで一眠りしてました。

海岸線を列車が走り、そしてその車窓から眺める海は、とても特徴的で印象深かったわけですが、同じような思い出のある方、今まさに思いをしている方って結構いると思うのですが、どうでしょうか?

私は現在は小樽に戻ってきているのですが、札幌行きの列車に乗ると、今でもこの車窓からの風景を見たくて、ついつい窓際に空席がないかと探してしまうんですよね。

(小梅太郎)

写真:小樽写真