水天宮に続く急な坂道は「外人坂」
坂の街・小樽には、いつの頃からか名前のついている坂がいくつかあります。
今回はそんな小樽のある坂について、ちょっとだけ調べてみました。
その坂は、小樽市指定歴史的建造物でもある水天宮の境内の海側から下っている、とても急な階段に続く坂道で、ここは「外人坂」と呼ばれています。
水天宮の境内から一望できる小樽港の眺めは、とても綺麗で私もお気に入りなんですが、その景色を眺めるために海側に近づいて、やっとその階段を目にすることができます。
小樽市のホームページ内にこの坂についての記載があって、外人坂という名前は、かつてこの坂道沿いの家に、小樽と縁の深い外国人一家が暮らしていたことに由来しているそうです。
その外国人一家とは、大正2年(1913年)から昭和25年(1950年)までの37年間小樽で生活していた、ドイツ人貿易商のカール・コッフさんとその家族で、そのうち32年間もこの坂の途中に住んでいたそうです。
そして、コッフさんのお嬢さんで小樽生まれのエルガさんは、親しくしていた近所の奥さんから「菊」という日本名をつけてもらったほどかわいがられていたそうですよ。
階段の数は123段もあり(といっても私は数えてませんが…)、幅も狭くて急で歩きにくく、実際にこの階段を上ってみると、息が切れて私には一気に上るのは無理でした(汗)
しかし!
階段を上りやっと辿り着いた境内から、振り返って眺める坂の先に続く小樽港の景色は、何だかいつもより素晴らしい景色に見えるはずです(きっと!)。
坂の下は、直接大きな通りにつながっているわけではないので、この坂を上り下りする機会はあまりないかもしれませんが(そもそもオススメもしませんが)、かつてここで暮らしていた外国人一家も眺めたであろう景色を、坂の上からのんびり眺めてみてはいかがでしょうか。
(小梅太郎)
参考:小樽市HP内 広報おたる連載「おたる坂まち散歩」の「第7話 外人坂(前編) (がいじんざか)」
写真:小梅太郎の「小樽日記」