市場朝ごはん

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「朝飯前」の朝ごはん

 小樽にたくさんある「市場」は海の幸の宝庫。その中には「朝飯前」の朝ごはんが食べられる市場があります。

 朝飯前なのに朝ごはんって何でしょう。
 小樽の北運河の最北にある鱗友朝市という市場は早朝4時から昼の2時まで営業しています。そんなに早くから営業するのは商売の人向けの卸市場だから、と思われるかもしれませんが、実は普通の人でも入れます。

 昭和20~30年代、ガンガン部隊と呼ばれる魚の行商人たちが小樽には沢山いました。早朝、ガンガン(ブリキの缶)に仕入れた魚を入れ、小樽駅から地方へ売りに行く行商人たちの姿が多く見られたといいます。その行商人たちが買い付けに来ていた名残りから、早朝4時からの営業が続いているのだそうです。
 4~5人ほどになってしまいましたが、今でも鱗友朝市に買い付けに来ている行商人の方がいるそうです。現在は電車ではなく、車を使っての行商に変わっている、とのことですが。

 鱗友朝市には食堂が2軒あります。食堂も同じく早朝4時から開店しています。小樽市民やドライブ圏内の方々に、市場の朝ごはんは密かな人気があります。
 遠くから来られる観光客の方の中にもこのことを知っている方がいます。ホテルで朝食を摂らず、市場まで足を運ぶ人が少なくないそうです。
 早朝の北運河、歴史的建造物が多く並ぶこの辺りを散歩しながら、市場での朝ごはん。
昼食や夕食を外食でという機会は多いかもしれませんが、たまの外での朝食というのは、早朝にしか味わえない贅沢な時間の使い方かもしれません。
 何より、新鮮な旬の海の幸を味わう贅沢。海鮮丼の他、お刺身の定食、日替わり定食、カニ汁、カジカ汁などメニューも豊富。

 写真は旬の秋シャコ(12月初旬まで出ます)をリクエストして入れてもらった二色丼です。
 旬のおいしさは格別です。旬の丼をめがけて市場へ朝散歩、どちらも新鮮です。なお、鱗友朝市は日曜日が定休日になっています。

(erico)