塩谷海岸でシーカヤック体験

kayak_shioya10

小樽といえば港町のイメージ。
そう『霧の波止場』みたいな。
でも小樽には、ほんの少し遠出するだけで、北海道らしい自然を楽しめる海もある。
天気に恵まれた週末、塩谷海岸にてシーカヤックを楽しんできた。

塩谷海岸までは小樽駅からバスで30分ほどの距離。
バスはいったん海から大きく離れ、丘陵地帯を西へと走っていく。
長い長い坂を下りきったあたりで、もう一度海が見えてくる。国道から右にそれる。
すぐに塩谷だ。

砂浜がのどかに伸びる塩谷海岸の中程に、カヤックスクールの小さな建物があった。
濡れても大丈夫な服装に着替え、ライフジャケットや履物を借りて、色とりどりのカヤックが並ぶ砂浜に出る。
まずは準備体操。パドルの使い方と注意事項を習ったら、すぐに出発だ。

午前中の先発グループに参加したお客は計4組。
そこにガイドが2名ついて、後になり、先に立って安全に気を配りながら、目指す海中洞窟へと漕ぎ進んでいく。

二人の漕ぎ手が息を合わせ、うねりや向かい風に負けないように頑張って漕ぐ。
プレジャーボートが立てる波や、港に出入りする漁船をやり過ごす。
小さな入り江や岩陰の穏やかな海面で小休止する。

シーカヤックの大きな魅力の一つは、乗り手がスレスレのところまで水面に近く、風や波に敏感になれる、その身体感覚の新鮮さなのだと思う。

100メートルもの断崖絶壁の一部がくりぬかれたようになっている海中洞窟の中を、シーカヤックは静かに通り抜けることができる。
洞窟内の海水は、外から差し込む光線の角度のせいで、不思議と青さだけが強調される。それも、エンジンの音に邪魔されないからこそ印象深いのかもしれない。

出発してからスクールの前の砂浜に戻るまで、およそ2時間。
保護者と一緒であれば三歳児から参加できるということだが、その日のシーカヤック体験では、若者や子ども連れよりも、二人で仲良く参加されたご夫婦の方が目立っていた。

油断してそこだけ日焼け止めを塗り忘れた両足には、日焼けの跡がまだ残っている。
浜から望む夕日も美しいらしい。
また塩谷海岸に行ってみようと思う。

(大)