さくらまち
小樽は,山や丘が海まで迫っている。小樽には平らなところが少ないので,山や丘の斜面に住宅街が広がる。桜町(さくらまち)は,丘と丘の間に挟まれた,南ヨーロッパのような町である。ここに1万人くらいの人が住んでいる(ウィキペディアから)。
高速道路を通って小樽から札幌に向かうとき,二つトンネルを通る。一つ目のトンネルで小さな山をくぐり,二つ目のトンネルでもう一つ別の丘をくぐる。一つ目のトンネルを出て,二つ目のトンネルに向かう間に,小さな空間がある。そこが桜町である。もし札幌から小樽にやってきて高速を通って帰るなら,二つのトンネルの間を通る十秒間,目の前に広がる風景に注意してみてほしい。
小樽の中心部とは,最初の丘で隔てられている。二つ目のトンネルをくぐると望洋台ニュータウンに出る。望洋台も小樽だが桜町とは丘一つ隔てた別の町になっている。
桜町は,二つの丘の際にある。前を向いても後ろを向いても小高い丘で,丘の斜面に家々が幾重にも段をなして立っている。写真は,一つ目の丘の斜面(ここも桜町の住宅街)に立って,小樽から札幌の方を見ながら,二つ目の丘の斜面を望遠で撮った。左上に海が見える。実際海はすぐそこにある。普段,札幌と小樽の間を,高速を通って通勤しているので,桜町の風景は毎日見る。よく見ているつもりだったが,桜町に来てみると高速から見る景色とは少し違って見えた。高速道路が高架になっていて,無遠慮に町の中心を突っ切っていた。
桜町に行くには,国道5号線を通らなければならない。小樽築港を過ぎて,平磯トンネルをくぐると,すぐに右に行く道がある。この道が桜町へ行く一番大きな道である。
よい写真を撮れそうな場所を探して,桜町小学校を目指した。小学校は二つ目の丘にある。丘の上のあたりにあるので,校舎のどこから出ても,坂道になる。この町に住んだら,どんな気持ちになるか,と想像をめぐらせた。きっと,この町の人たちは,お互いに強い絆をもっているんじゃないだろうか。
(公)