なんだか名残惜しい残雪の風景

tenguyama_spring

あれだけ冬の間に苦労させられた雪なんですが、春を迎えて雪解けが進み、周囲から雪がなくなってくると、おかしなもので、何だか名残惜しくなってきたりして…

元々、雪のある冬という季節が嫌いではないのですが、雪かきや厳しい寒さは生活していく上では何かと大変です。冬の間に連日大雪に見舞われたりすると、あ〜早く雪が解けて春が来ないかな〜って、やはり皆さん思いますよね。

で、雪が解けて待ちに待った春が来るわけなんですが、ふと見た建物の影や空き地の隅に、わずかに残ったやや汚れた雪を見つけると、解けていくのが何だか名残惜しくて、わざわざその上を歩いてみたりして…
そういえば、子供のころは、雪がなくなっていくのが寂しかったかもしれないです。

それに、4月下旬からの桜が咲く季節になっても、天狗山や毛無山など、小樽を囲む山々には、まだ薄らと白く雪が積もっていて、この時期の春の青空のもと見る山の残雪の風景は、なかなかいい眺めで、天気の良い日はついつい周囲の山々を眺めてしまいます。

中でも、冬の間にスキー場としても賑わった天狗山は、真っ白だった山の景色が、雪解けとともに山肌の茶色の割合が日に日に増えてきて、その日々の変化の様子を観察するのが何だか日課になってます。

そして私が毎年、最後に残雪を間近に見るのが、その天狗山です。
天狗山山頂に咲く1本桜の天狗桜を見に行く時には、いつもまだ山頂には雪が残っているんですよね。

小樽で最後に咲くとも言われる天狗桜の開花は、年によってばらつくものの、その時期になってもまだ雪が残っているなんて、身近な天狗山もさすが“山”なんだと、妙に納得したりします。

ということで、普通は雪が解けて春を迎えてホッとするところですが、雪がなくなっていくのがちょっと名残惜しい、なんて思うのもまた、雪国の春ならではでしょうかね。

さて、この記事が掲載される頃には、まだ天狗山に雪は残っているでしょうか。

※掲載写真は2016年4月25日撮影です。

(小梅太郎)