もがみ公園と二楽園と小さな滝の話
天狗山へと真っすぐ続く、最上町を上る長く急な坂道があります。
この坂道を上っていき、途中の最上小学校も過ぎ、ほとんど天狗山の麓といったところまで上ってきた左手に公園があります。
ここが「もがみ公園」です(公園名は、ひらがなで表記されているようです)。
ちなみに、この天狗山へ向かう通りは、かつてこの途中に「千秋閣」と呼ばれた洋館が建っていたことから、千秋通りと呼ばれてますね。
さて、今回はもがみ公園の話なんですが、このもがみ公園は、昔は「二楽園」と呼ばれていたとのことで、ここを古くから知る方は、今もそのように呼ぶ方が多いようです。
そもそもこの公園は、この付近一帯の大地主さんが個人的に造った公園とのことで、この公園のすぐ上には神社があって、その神社で楽しみ、そしてこの公園で楽しむという、2つの楽しみがあるということで「二楽園」と称したそうです。
実は、この公園には、千秋通りからは見えないのですが、奥に小さな滝があるのをご存知ですか?
それが今回掲載した写真で、こじんまりとしてますが、小さな滝と池はちょっとした庭園のような、なかなかいい雰囲気の景観となってます(周囲が鬱蒼としているので、ちょっと怖い雰囲気でもありますが…)。
この公園が小樽市に寄付されたのは、昭和33年とのことで、その際にもがみ公園と改称されたそうです。
現在、公園は段々になっていて、途中の段には遊具なども設置されていますが、天狗山に近いだけあって、辺りは木々に囲まれる緑あふれる公園で、秋になれば、綺麗に紅葉する木々をあちこちに見ることもできます。
場所的には、近くに駐車場はないようですし、歩いてくるにも千秋通りの坂道が急すぎますから、現在は、それほど人が集まる公園ではないようです。
ということで、今回は、二楽園とも呼ばれたもがみ公園についてでしたが、公園にも色々と歴史があって、なかなか面白いですね。
【参考】
・小樽市HP内 広報おたる連載「おたる坂まち散歩」「第38話 千秋通りの坂(前編)」
・「緑・最上両町史(続編)」(市立小樽図書館所蔵)
写真:小梅太郎の「小樽日記」
(小梅太郎)