小樽貴賓館 旧青山別邸 牡丹・芍薬まつり
ニシン漁は、小樽の初期経済の基盤を築いたと言われるほど重要な産業でした。
明治から大正の時代にかけて、北海道の日本海側の前浜は、ニシンの水揚げで活気に満ち溢れていたと言います。
旧青山家は、祝津の網元で、留萌から小樽にかけていくつもの漁場を経営し、巨万の富を築き上げたそうです。
その栄華を極めた青山家の2代目の政吉とその娘の政恵が、別荘として建設したのが、祝津にある小樽貴賓館の「旧青山別邸」です。当時17歳の政恵は、日本一の大地主と言われた山形県酒田市の本間家の邸宅に度々招かれ、その豪勢な建物に、大変魅せられていました。そこで、「あの本間邸以上のものを、この祝津に建ててやろう」という決心でこの豪邸を建てたと言われています。
総工費は、現在の価格に換算すると35億円ともされており、山形県酒田から宮大工を呼び寄せ、資材も酒田から運んだケヤキを使っています。また、内部の装飾も贅を尽くしており、ふすまの引き手に使われた七宝焼き、狩野派の流れを汲む日本画家が競って描いた襖絵など、まさに「北の美術豪邸」の名にふさわしい、美しさへのこだわりを徹底的に貫いた建物です。
平成22年には、国の登録有形文化財に指定されています。
もちろん、その豪邸に見合った素晴らしい庭園も見ものです
ここで、5/30(土)から7/5(日)まで「牡丹・芍薬まつり」が開催されます。
牡丹は、一輪でも十分な美しさがある花ですが、群れて咲いていると、かなり迫力があり、美しさも際立ちます。主張の強い牡丹の横で、少しはかなげに佇んでいる芍薬の花も、魅力的です。
今年は暖かい日が多いので、もしかすると例年よりも開花が早まるかもしれません。開花の状況は、電話で確認できるそうですので、是非満開のチャンスを逃さずにご覧ください。(開花状況専用ダイヤル0134-61-7007)
また、青山別邸の内部を観覧するには、入場料が必要です。
(中学生以上1080円 小学生540円)
(川)
参考:「小樽貴賓館」ホームページhttp://www.otaru-kihinkan.jp/index.html