小樽市総合体育館
小樽市総合体育館は、昭和49年(1974年)、小樽公園内花園グラウンドの一角に建てられた。ちょうど私が高校生の時であった。既に道内主要都市には市立総合体育館があり、小樽にもやっと高体連や中体連の大会を一括開催でき、さらに大きな大会を誘致できる体育施設ができたと、体育関係者は大喜びしたものだった。
2000年前後までは、スポーツ大会のみならず、潮まつりと同時開催のたるっこ市、成人式、サーカス公演、ロータリークラブ、ライオンズクラブ、青年会議所など、各種団体の全道会員大会など催事にも利用されていた。しかし現在は、たるっ子市は無くなり、成人式、各種団体の会員大会は市民会館で開催されている。
建設当初より、市民のための重点スポーツとして、気軽にできる卓球を指定し、学校体育館の半分ほどの広さを有する第3体育室に、卓球台を常備し、いつでも楽しむことができる状態にしている。また、平成元年(1989年)開催の「はまなす国体」体操会場としてアリーナが使用され、その時に練習会場として第3体育室と隣接する屋外のランニングコース上に、学校の体育館規模の第4体育室を増設した。
アリーナはバスケットコートが優に3面取れる面積で、第4と合わせると4面取れるので、各種スポーツ競技大会を開催した場合、進行の面では大変役立っている。ただ、駐車場が50台分しかなく、全道、全国規模の大会誘致には最大のネックとなっている。
私の所属する小樽ボールルームダンス連盟主管でも、5月の第3日曜日、1年おき2年に一度の割合で、アリーナを会場に「全道クラス別ダンス競技会小樽大会」を開催している。昨年の開催で6回目を数えている。アリーナの3分の2を競技会場、3分の1を選手控室として使用し、スポーツとしての社交ダンスを多くの方々に見ていただいている。また、毎回新倉屋、田中酒造をはじめとする小樽の名品店にも出店していただき、市外からの選手、役員、お客様に大変好評を博している。
余談だが、プロレス全盛期の90年代まで、アリーナで新日本、全日本、全日本女子のプロレス興行に使われていた。特に、全女のダンプ松本たちに場外乱闘で、アリーナ床を傷つけられ、直してもらったことがあると、以前の館長に聞いたことがある。
更に、小樽では4度目の開催となった、平成11年(1999年)スキー国体開会式を、初めてこの会場で開催し、皇太子ご夫妻が来樽された。お泊りの小樽グランドホテルから、体育館までの沿線、2月というのに後部座席の窓を全開にして手を振るお二人の姿と共に、沿道に溢れる人の波、警備の警察官の数、護衛のSPで物々しい雰囲気だったことを思い出す。
(斎藤仁)