中心街の稲穂町に建つ歴史ある龍宮神社
小樽の中心街の稲穂町にある「龍宮神社」は、例大祭が小樽の三大祭りの一つとしても知られている、市民には馴染みのある神社ですよね。
ただ、その場所ですが、小樽駅前の国道5号線を長橋・手宮方面に進み、2つ目の信号の左手に、龍宮神社の大きな鳥居が建っているのですが、ここからは神社がどこなのかはよく分からないんですよね。
鳥居の先の坂道を上っていくと、その先に階段があるのですが、それを上りきると境内があって、右手に堂々とした社殿がいきなり現れるんです。
境内はさほど広くはないのですが、下からは見えないために、こんなところに神社があり、しかもこんな立派な社殿が建っていることにちょっと驚きます。
小樽の代表的な神社である、鎮守の森に囲まれた参道が続く住吉神社とも、高台の広い境内にぽつんと佇む水天宮とも、随分と趣が違いますね。
龍宮神社は、幕末・明治に活躍した榎本武揚(えのもとたけあき)が建立したことでも知られていて、境内には没後100年の翌年の2009年に銅像も建てられています。
榎本武揚は、小樽の稲穂と富岡地区一帯を取得して、北辰社を設立して市街地を開発していったそうで、その際に所有地に設けた小祠が、龍宮神社の前身といわれているそうですね。
創建は明治9年(1876年)で、現在の社殿は昭和16年(1941年)に改築されたものとのことで、その背景も含めて、なかなか興味深い歴史のある神社なのですね。
そうそう、社殿正面には大きくて立派なしめ縄が設置されていますが、2013年に新調されていて、その時のニュースでは、長さ7m、太さは最大で1m、重さは500キロもあり、設置に約5時間かかったそうですよ。
また、境内への階段の上から見る、運河へと真っすぐ続く竜宮通り(「龍宮通り」と「竜宮通り」の表記を見かけます)と、その先の小樽港の眺めは、なかなかいい眺めですので、龍宮神社に参拝に行った際には、階段の上で立ち止まって見てみるのもいいかもしれませんね。
参考:書籍「小樽散歩案内」(発行:有限会社 ウィルダネス)/龍宮神社 (小樽市) – Wikipedia
写真:小梅太郎の「小樽日記」
(小梅太郎)