昔と今をつなぐカフェ

goldstone

観光地から少し離れた北運河を歩くと北浜橋のすぐ横に少し変わった形をしている石造りの倉庫を見つけることができる。これが旧渋澤倉庫である。
どのように変わった形をしているのかというと三つの倉庫がくっついたような形をしているのだ。初めに向かって右の倉庫が造られ、次に左、そして右と左の倉庫をつなぐようにして三つ目の倉庫がつくられたのだ。

この倉庫は明治28年築であり、200年もの間その場所で小樽を見守ってきた。現在はライブハウス「GOLD STONE」カフェ「PRESS CAFE」として利用されている。
ライブハウス、カフェへと変わった旧渋澤倉庫の正面にはレトロな車が飾られており、フロントガラスにはOPENと書かれた紙が置かれている。ガラスの窓には数枚のポスターが貼られている。お洒落なこの場所は観光地というよりも若者に人気であろう。

以前小樽をあまり知らないような友人を小樽に招く機会があった。どこに行こうかなかなか思いつかずに悩んでいた。観光地は見飽きているかもしれない。何より久しぶりに会う友達なのだから今までのことをたくさん話す時間が欲しい。そうして考えている時、GOLD STONEに行ったことのある友達が絶賛していたのを思い出していくことにした。

中に入るとカウンターが一段低くなっており、後ろの山型になっている棚にはたくさんの種類のお酒のビンが並んでいる。後ろからの照明に照らされてステンドグラスの様にキラキラと光っているのだ。
料理も雰囲気にとてもマッチしているお洒落な料理だった。味もとてもおいしい。店内の雰囲気や他にお客がいなかったこともあり、私たちは当時の話、そして今の話を笑いながら互いにたっぷり話した。

話しきった後に店を出て、店の前にある車の前で三人で交互に写真を何枚も撮りあった。もちろん、お洒落な雰囲気に合うようにお洒落なポーズで撮った。
他の観光地やお店にも行ったが、ここが一番落ち着いて長い間話した場所だった。ここは私の過去と今をつないでくれる場所でもあった。

(静)